日本文化の継承、日本の「かたち」と「ちから」を守る

寅歳 鴨川をどりレポート

初夏の風を感じる・・

勝ち神「我が陣営に」来たり!!

はじまり・・・寅歳の勝ち神は先斗町に
思えば、新春の勝ち神参拝も京都・伏見稲荷から始まりました。大和古流当主 友常先生から火打石の秘伝を頂き、伏見稲荷で初めて切り火の儀式を行い、本年の必勝祈願を行いました。その後、先斗町の若手芸妓で歳女の「久乃」さんからの『初打ち』の儀式により、本年の縁起を存分に手にして、庚寅歳の見えない力・勝ち神を背負い、戦う歳が始まりました。
 2月のミトラ(寅の歳・寅の月・寅の日)の信貴山・毘沙門潅頂、3月の鞍馬山・毘沙門天参拝と続く企画は、まさに戦う者に力をくれる毘沙門力を身に纏う内容でした。
そして、毘沙門力で最も重要な「ミトラのちから」は先斗町にあり、その力をすべて頂けるのは、年に一度の「鴨川をどり」であったのです。

先斗町の若手芸妓で歳女の「久乃」さんの手にしている「千社札」は大和古流友常先生のデザインですが、ミトラの日に鞍馬寺・弥勒堂にて誕生した特別な『守護札』でもあるのです。「久乃」さんは「寅寅寅 久乃」の名が授けられ、毘沙門力を背負った「厄祓い」「勝負運」ある芸妓へと変身しました。

そして、その『勝ち神・千社札』が配られる日が、鴨川をどりを観賞した「5月20日」なのです。
庚寅歳 5月20日は運命の日  ・・・勝ち神背負う芸舞妓
この日は、すべての必然が重なった「運命の日」です。まさにミトラのちからが「未来を予知するちから」であることを実感することができました。そして、そのミトラの力は明らかに先斗町にありました。この日にこの場所に身を運んだ方々は、この力をすべて手に入れることができた幸運な方々でした。
 鴨川をどりの開催される先斗町歌舞練場で、一服のお茶を頂きます。この日のお点前は、黒紋付の正装姿の「久乃」さんです。
友常先生より、この時ご指導を頂いた内容は、大変貴重なものでした。

今では、幾松さんといっても、知らない人が多いであろう。幕末の維新三傑・桂小五郎(後の木戸孝允)の恋人であり、明治維新後、正妻となり「木戸松子」となった。桂の、転々と名所を変えながらの潜伏中、幾松がある会津人におかされかけたことがあり、その際三味線を折って投げつけ対馬藩邸に助けを求めたという伊藤博文の直話も残っている。京の芸妓は、気骨があり、健気であり、可憐で手弱(やおや)か、女の鏡である・・・。この江戸時代の芸妓の姿を、一人だけ、今の世にもしている芸妓がいる。【鴨川おどり】中の「点茶」を指名されたお手前さんである。一日、黒紋付の正装で過ごす。

市福(左)久乃(右)
この写真の「久乃」さんの襟が赤く返っているところをご覧ください。
お控えの「市福」さんは舞妓さんです。龍歳の舞妓さんで、友常先生より「昇龍」を頂き、この日に配られる特別な千社札をデザインして頂きました。
「ミトラ」と「昇龍」が結びつくこの日のお点前は『龍寅』のちからとして、絶大なる勝ち神パワーを我がものにできるのです。
この日の京都文化サロンにて用意された白扇に貼られた特別な千社札。
「寅寅寅毘沙門久乃」
「昇龍 市福 」(さいころの図)
真ん中の文字は友常先生直筆の
「宇迦之御魂大神」
稲荷大明神様が中央に座る特別な扇へとかわりました。
縁起の扇
そして、この二人は私たちの京都文化サロンの宴に「ご挨拶」に来てくれたのでした。

さらに特別に・・・ミトラの久乃さんの手により、「切り火の儀」が行われ、「勝ち神千社札」はひとりひとりに手渡されたのでした。全員が毘沙門力を我が手にした瞬間でした・・・

5月20日の必然 ・・・大楠公登場  太平記が蘇る

この日伏見稲荷を参拝し、鴨川をどりに向かう前に、大和古流友常先生の京都・特別講演会が行われました。
実は、今年の鴨川をどりの演目に「桜井の別れ(青葉の別れ)」が演じられることになっていました。しかも、この日楠正成公を演じるのは先斗町で私たちがお世話になっている芸妓・久冨美さんなのです。
以前より友常先生から「当家の先祖には楠正成公も存在する」とのお話を伺っていましたので、これは偶然ではない、何かの必然であると感じていました。『「楠正成公・太平記」を大いに語ろう』と友常先生から力強いお言葉を頂きました。
そして、講演会。鎌倉時代末期に生きた大和のつわものののお話に、心に迫るものを感じました。私たちの国・日本は素晴らしい心根を持った人によってつくられてきました。
この歴史と文化を身をもって体験し感じることこそが日本人としての誇りとなって蘇ってきます。このお話を伺ったあと、私たちにとって「鴨川をどり」は大和の国を感じる特別なものになりました。内容は是非講演CDをお聴きください。最新ニュースにて案内しています。

勝ち神舞い降りる先斗町の雅の宴  ・・・百花繚乱の宴
久冨美さんの大楠公様の演技に、胸を打たれ最高の感動を味わった私たちは、若手舞妓の光菜さんと先斗町を代表する芸妓の市さよさんのご案内で、京都文化サロンの会場に向かいます。旬の食材を使った京料理を味わいながら、この日舞台に出演していた舞妓の「もみ福」さんとの楽しいおしゃべりが、宴を盛り上げました。友常先生からもひとりひとりに特別な一筆を頂き、それぞれが手にしている白扇がどんどん埋まっていきます。

そうです!宴が進むにつれ、自分だけの特別な力を持った扇を自分の手で産み出していく・・・それが、この会の大きな目的なのです。

 「運は自分でつかみ取る」。この日の勝ち神パワーをすべて手に入れる学びの場なのです。
京都文化サロンの会場から、先斗町の風情ある路地を歩き、「勝ち神舞い降りる 宴」に向かいます。ここで、白扇が完成されるのです。
言葉では言い表せないほどの宴とはこのようなことをいうのでしょう。この場にいれば、一気に今年の大きな縁起を身に纏うことができます。
句会も始まりました。

実はこの日は、俳句雑誌「うぐひす」の創刊記念日でもあるのです。私も友常先生から頂いた俳号「虎子」のお披露目の場でもあります。友常先生にご指導を頂き、編集した「うぐひす」はやまと言葉を大切に残していきたいとの思いから生まれた企画です。多くの日本人の力で、発展させていきたいと思っています。俳句・和歌(やまとうた)には力があります。是非挑戦してみて下さい。そして、多くの方の投稿を待っています。

「うぐひす」の俳句投稿は京都文化サロンのホームページでご案内します。
とにかくこの日の先斗町の宴は今までで最高の宴になりました。
千社札が飛び交い、次々に白扇に勝ち神が舞い込んできます。
勝ち神舞い込む扇
この扇はこの日の扇です。
≪かにかくに 青葉の別れになみだして 芸妓舞妓と かわす盃≫
という大和古流友常先生の格別なる和歌が添えられ、最終日に京都・円通寺にて完成されました。
まだまだ続く鴨川をどりの奇跡  ・・・鴨川をどりの勝ち神を根こそぎゲット!

鴨川をどりでは、おどりの最後に舞台の上から「手ぬぐい」が撒かれます。芸舞妓がそれぞれ自分の名前を書いた手ぬぐいです。この手ぬぐいを手に入れれば運気向上!・・・
ところが、20日は誰も手にすることができませんでした。そして翌日21日も・・・
21日の講演会は、鴨川をどり観賞後に行われました。楠正成公の桜井の別れの講演でしたが、前日とはまたひと味違った内容になりました。やはり20日の破格な先斗町の宴の後でしたので、勝ち神を身に纏っての講演会です。
話題は、「撒き手ぬぐい」になりました。何としても手に入れたい・・・その願いむなしく、私たちの手もとにはまたしても届きませんでした。
 昨年、奇跡的に手にした「撒き手ぬぐい」の凄さを改めて感じます。
昨年、感動した撒き手ぬぐいの物語は、大和しうるわし東海本部ホームページに、「丑歳鴨川をどり」として、画像とともに掲載してあります。http://www.y-uruwashi-tokai.jp/
しかし・・・・やはり勝ち神は私たちの手元に招来します。

21日の先斗町での宴での出来事
隣の席に座っていたグループ。鴨川をどり鑑賞の後、楽しそうに話をしていました。私たちは、手ぬぐいの話で持ちきりです。その話が聞こえたのでしょう、ひとりの男性のポケットの中からなんと「撒き手ぬぐい」が出てきました。
友常先生が、撒き手ぬぐいの縁起の話をされた途端、「さわるな!」。ポケットの中にねじ込まれていただけの手ぬぐいの図りしえない価値を感じたのです。知らないというのは、残酷です。
この話を聞かなければ、ただの手ぬぐい。家に帰ったらどこかに紛れ込んで、なくなってしまうのでしょう。運はこのようにして逃げていくのを感じました。友常先生から教えを受けている私たちは幸せです。
そして驚くことに、この手ぬぐいは21日に楠正成公を演じた「豆千代」さんのものでした。背筋がゾクッとしました。久冨美さんに興奮を抑えながら、「是非写真に」と男性に頼んでもらいました。そして・・・待望の一枚が手に入りました。
友常先生から「早く写真を!」と言われ、手が震えながら、夢中でシャッターを切った写真です。友常先生の凄い縁起の力に恐れ入りました。この一枚を手に入れたくて、昨日から撒き手ぬぐいにこだわっていたのです。しかも、最高の品が手に入りました。

20日の大楠公様(久冨美さん)と21日の大楠公様(豆千代さん)のツーショットです。

運命の手ぬぐい
様々な奇跡と必然の物語が生まれた寅歳の鴨川をどりでした。
そして、24日の千秋楽で幕を閉じました。

先斗町にて多くの勝ち神を手にされた参加者の皆さんは、この勝ち神の力を使い切って頂くことを願っております。そして、6月30日「夏越のみそぎ」までの戦いを約束して、これからの勝ち神物語を作って頂きたいと思います。

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